今年1月~3月の連続ドラマNHKの木曜時代劇「ちかえもん」を毎回とってもたのしく視聴しました。
それで、やはり文楽の「曾根崎心中」を文楽専門の劇場で観てみたい!!と思い調べてみると、国立劇場の5月の文楽鑑賞教室の演目が「曽根崎心中」!!
これは是っ非で行って観なければ!!ということで、そんな風に思い立った時には、いつもひとりで行動してしまう私なのですが、今回は別。
ちょうど「ちかえもん」の放映中に会った友人と、ドラマ面白いよね?!と盛り上がり、その友人は文楽好きの先達なので、文楽面白いから観に行くといいよ!!と奨めて貰っていました。
その文楽鑑賞達人の友人に鑑賞教室とは、釈迦に説法かしら?とは思い乍ら、お誘いだけでもと声を掛けさせて貰うと、お付き合いしてくれる、と快諾が。
心強い味方と一緒に初めての文楽専門劇場での文楽体験へ出掛けました。
実は文楽の「曾根崎心中」一度だけ、大きなホールの様な会場で、現代的に特殊な演出をされたものを観たことがあるのですが、会場が大き過ぎたからか、人形の動きが裸眼ではほとんど見えなかったり、義太夫や三味線も録音テープの使用だったからか、残念乍ら文楽の魅力を感じることが出来ず、大好きな歌舞伎でも、心中物はあまり好きになれない自分の性格のせいもあるのかな?とも思い、文楽自体をまた他の演目で観てみようという気持ちにはなれずにいたのです。
ですが「ちかえもん」を観て、もういちど、ちゃんと専門劇場で文楽を観てみたい!!という気持ちが高まり、先達の友人にもそれを奨められ、再度チャレンジを決意。
友人と待ち合わせ、開幕前に劇場近くの甘味処「おかめ」で、お凌ぎを。
おでんに茶飯のおにぎりと胡麻のおはぎの甘辛両方満足セットで。
気の置けないお喋りをたのしんだ後は、いよいよ小劇場へ。
開幕し、まずは太夫と三味線の奏者が、短く語ったり演奏したりし乍ら、語りと音楽の解説が。
太夫の響き渡る声や、太棹三味線の力強く響く音色と、弾き方の違いで表す感情や情景の表現に驚き。
続いて人形遣いの方が人形を遣い乍ら見せてくれる解説では、人形がほんとうに生きて動いている様に見えて、びっくり。
「曽根崎心中」の舞台を前に、短い休憩時間には、ロビーに解説で遣われた人形(お園さん)や舞台下駄なども展示され、撮影も投稿も大歓迎とのことで、私もお園さんを撮影させて貰いました。
解説で高まった気持ちのまま始まった舞台。
太夫の声量と臨場感溢れる人物の台詞や心境の語り、太棹三味線の重量感のある心に迫り来る様な音色に圧倒されます。
そして人形は、自ら動いて息をしている様で、生きているとしか見えず!!
大感動の舞台で、文楽ってこんなに面白いものだったの?!と大興奮!!
無粋で色恋沙汰に興味が持てず、だからか心中物は好きになれないなあなどと思っていましたが、義太夫と三味線の生の語りで人形遣いで観ると、こんなに面白いものなの?!と自分自身でも驚いてしまうほど。
まずは文楽の面白さに開眼したばかりの初心者ですが、もっと他の演目も観てみたい!!と心底思った、よろこびと興奮のはじめての文楽鑑賞教室でした。
幕と幕の間や休憩時間や教室の前後に様々なプチ情報で、より理解を深める手助けをしてくれた友人に、心から感謝のうれしくたのしい一日でした。