二月の頃に季節菓子として売られている椿餅。
最も古い純国産の和菓子のひとつとも言われ、源氏物語の34帖「若菜上」にも、六條院の春の御殿に光源氏のお召しで蹴鞠に興じた若者たちの後宴の場面で出されているという椿餅(つばいもちひ)。
今回は虎屋さんのものを戴いてみました。
こちらは道明寺粉と肉桂を混ぜ蒸した生地で御膳餡を包み、椿の葉ではさんだもの。肉桂の香りが独特で印象的な美味しいお菓子でした。
源氏物語の頃の椿餅は、甘葛煎(あまづらせん)と言うツタの樹液を原料とするとされる古代の甘味料で、餅の粉に甘みをつけただけの餡のないお菓子だったそう。
現代でも、羽二重餅に寒天を掛け、こし餡を包んだものなど、和菓子屋さんによって少しづつ違う椿餅がある様で、食べ比べてみたくなります。