「初春歌舞伎公演・通し狂言・しらぬい譚」

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今年も初芝居は国立劇場での菊五郎一座による復活狂言で。

全九十編に及ぶ合巻の最長編と言われる『白縫譚』。

初編刊行の嘉永二年(1849)から四年後に、河竹黙阿弥の脚色で『志らぬい譚』として劇化され好評を博したものを、昭和五十二年(1977)に七十六年ぶりに通し狂言として復活上演したものを、今回新たに台本を作成しての上演という『しらぬい譚』。

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筋交いの宙乗りや大立廻りなど、娯楽性に富んだ華やかな演出は、お正月の復活狂言らしくて爽快!!

けれど、時蔵さんの乳母秋篠の「合邦」の玉手御前を連想させる、命をなげうち忠義を尽くす健気な姿や、菊五郎さんの豊後之助が主君へ諌言する場面では、じっくりと濃厚なお芝居をたのしめます。

菊之助さんの若菜姫は美しも怪しく、松緑さんの秋作は凛々しく、歌舞伎のたのしさ満載の舞台に大満足の内容!!

太田記念美術館「笑う浮世絵ー戯画と国芳一門」図録より

 

浮世絵好きとしては、芳藤の異り絵「五拾三次之内猫之怪」を猫でなく人で舞台に再現した場面が忘れられず、家に戻ってその絵について調べてみると、弘化四年(1847)市村座「尾上梅寿一代噺(おのえきくごろういちだいばなし)」に登場した化け猫の演出に材をとったと思われるものと知り、その演出の深さに感心を。

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大詰で大団円を迎えると、恒例の手拭いまきで、昨年取ることの出来なかった手拭いをゲット出来、観終わったばかりなのにすぐまた観たい!!と思ってしまう様な、大満足な舞台を今年も新年から大満喫させて貰いました!!

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