横浜能楽堂の企画公演「能の花 能を彩る花」の第1回「菊」の公演へ行ってきました。
華道・池坊専慶が文献に登場してから555年目の節目に、「花」に関する5つの能を上演し、次期家元の四代目池坊専好さんが舞台を花で彩るという企画の1回目。
梅若玄祥さんが「菊慈童」を舞われるとのことで、いけばなとの競演をたのしみに伺って来ました。
菊の咲く仙境で七百年の間、少年のまま生きてきた慈童。
童子の面をつけられた玄祥さんが謡い出すと、ほんとうに少年のような澄んだ通る声と共に、面の瞳までもが、瞼を閉じたり、開いたりと、活き活きと動き出すように見えます。
いけばなは作り物の菊まがきの他に、庵の作り物の引回シが外されるとそちらにもいけばなが。
通常の能舞台では、作り物で表現される「花」がいけばなで登場する舞台。
生きた花の力強さを感じられました。
売店で、今回の「菊」の公演当日限りの販売という「菊」の図柄の入った、横浜能楽堂オリジナルのお菓子「鏡板」をお土産に。
通常は横浜能楽堂の舞台の鏡板に描かれた「松」「竹」「梅」に加え、能楽堂のある紅葉が丘の「紅葉」の4図柄だそうですが、今回は、紅葉に変えて「菊」の図柄の入った組み合わせ。「菊」は色も黄色く色付けられていました。
金沢の諸江屋さんの、やさしく柔らかい甘味と食感の生落雁を味わいながら、能といけばなのすてきな舞台の競演の余韻をたのしみました。