富山の銘菓「薄氷」。
薄氷本舗 五郎丸屋さんの3種類の「薄氷」。
雪深い北陸では、その雪が消えかかる、如月、弥生の頃の寒い朝には、水たまりや田んぼに美しい薄氷が一面に張られているそうです。
江戸時代の宝暦二年、五郎丸屋さんの五代目、八左ヱ門さんが、庭のネコヤナギに気をとられ、思わず水たまりに張った薄氷を踏み割った時に出来た、自然の形の美しさをお菓子に映したという、風流な謂れのお干菓子。(以上斜体部分、薄氷本舗 五郎丸屋さんの栞より引用)
富山産の糯米で作られた薄い薄いお煎餅に、和三盆と卵白で作った糖蜜を刷毛塗りして作られたこのお菓子は、その「薄氷」という名前の通り、薄く繊細な作りで、その形を崩さないよう、綿で大切に包まれています。
季節の薄氷は、「ひとひら」と名付けられた桜の花びら形。
「薄氷」も「ひとひら」も、口に入れるとすっと溶ける和三盆の優しい甘さと、真の薄煎餅の食感が、なんとも言えずおいしい。
そして、その薄氷に五つのTONE(色合い)とTASTE(味わい)をつけた「T五(ティーゴ)」。
薄紅色は、ほんのり塩味の利いた桜風味。
緑は苦味の抹茶。
黄色は柚子の香りと酸味。
白は和三盆の甘味。
胡麻で滋味を表したのは黒色だそう。
特に桜と柚子が香りと風味が豊かでおいしい!!
関東でも例年になく寒かった今年の冬。
雪深い北陸の人々が、薄氷に春の訪れを感じ、待ち望む気持ちが、こんな美しいお菓子を作らせたのですね。