数年前の初めての時代物での個展と、その1年半後の個展の際には、まだ着付けを習っていなかった私。
その2回の個展の際にも、様々な方に、着付けを身につけることを奨められ、時代物のイラストレーションを描く勉強のためにと、友人に着付けを習い、なんとか自身で着付けられるように。
先日終えた今回の個展では、その着付けの勉強の絶好の機会とばかりに、期間中、毎日自分で着付けて在廊することに。
所有する数少ない着物、とりわけ少ないこの時期の単衣の中の3着に、帯と小物の組み合わせを変えて、6日間のコーディネートをひねり出しました。
一日目は、初日と言うことで、黒地の植物染めの小雨縞の大島に、自身の中でとびきりの、江戸友禅作家の清水雄一さんに染めて頂いた、ターコイズブルー地の更紗柄の江戸友禅の染帯で。
小物は、薄鼠色の紬地の丹後ちりめんの帯揚げに、白藤鼠の冠組の帯〆。
銀色の瓢箪の水琴鈴の根付とかわせみの扇子を指して。
二日目は、細かい格子柄のグレーのやまだ織の本塩沢に、京更紗の名古屋帯。
新橋色の丹後ちりめんの帯揚げに、紺藍の江戸組紐の冠組帯〆。
銀の燕の根付に、ミントグリンの小ぶりな麻扇子を。
三日目は、気軽な木綿。
機械織りの薄地で、紺地に幾何学模様の久留米絣に紺×緑×黄色のグーシ花織の半幅帯で。
淡卵色の紬地の丹後ちりめんの帯揚げに、銀の根付は葉っぱの傘を差した雨蛙。
扇子は前日と同じミントグリンのポケット扇。
四日目は、一日目の小雨縞の大島に、藤紫の桐生織、巻絹紬の八寸帯。
大島の小雨縞に合わせて、雨の色をイメージした新橋色の帯揚げは、二日目と同じ丹後ちりめん。
銀の紫陽花の帯留めには、紫紺のさざ波組の三分紐を通して。
水面に泳ぐ雨蛙の銀の根付に、パープルのポケット扇。
五日目は、二日目の本塩沢に、米沢の黒地に花刺し子柄の八寸で。
この日から6月に入ったので、帯揚げは絽縮緬に。無地のミント色で。
帯〆は青緑の冠組。
そらまめの柘植根付にほたるの扇子を指して。
最終日の六日目は、搬出作業もあり、三日目と同じ木綿コーデで。
帯をグレー地のグーシ花織半幅に変えて。
銀の燕の帯留めに翠色のさざ波組の三分紐を通し、ヒヤシンス色の絽縮緬帯揚げ。
4日目と同じパープルの小ぶりな麻扇子に根付は銀の煙管型を提げて。
毎日着付けは、まだやっと一人で着付けられる様になったばかりの身には、大変なこともたくさんでしたが、得るものもたくさんの、とても貴重な経験になりました。