歌舞伎座で上演中の「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部へ行って参りました。
幕開きの「研辰の討たれ」。
初めて観る演目です。
大正時代に初演されたという新作歌舞伎。
スッポンから階段で生身の人間が出入りしたり、客席を使った追い駆けっこが始まったり、ロープウエイのような畚や、用水桶の本水を使った演出が、異色の近代歌舞伎らしく、驚きながら愉しませて貰えた一幕。
憎めない愛嬌があり、滑稽な、幸四郎さんの辰次、とても魅力的でした。
中幕は「関三奴」。
威勢のいい二人奴の毛槍踊り。
芝翫さんと松緑さんの息の合った足拍子は、お囃子ともぴったり合って、小気味いい所作幕。
そして昼の部の切り幕は、今月のお目当て「梅雨小袖昔八丈」。
菊五郎さんの髪結新三は、なんと八年ぶりだそう。
お孫さんの丑之助くんとの共演もたのしみな舞台。
芝居役者の真似をする丑之助くんの丁稚長松が、小生意気で可愛らしい〜〜〜!!!
昨年3月の、お父さまの菊之助さんの新三とのご共演の際の長松から、ひとまわりもふたまわりも成長されたようで頼もしく、とてもたのしませて貰えました。
そしてそして、まさに円熟の菊五郎さんの悪党新三は、どこを取っても小粋でかっこいい!!!
名コンビの時蔵さんの手代忠七との掛け合いに、團蔵さんの粋な弥太五郎源七、赤子の手を捻るように悪の上前を撥ねる左團次さんの家主長兵衛と、名優揃いの生世話物の傑作を堪能しました。