国立劇場の初春歌舞伎公演、昨日の千秋楽に行って参りました。
公演の千秋楽日なってしまいましたが、私にとっては今年の初芝居。
毎年恒例の菊五郎一座による復活通し狂言。
今年の演目は、四世鶴屋南北の『御国入曽我中村(おくにいりそがなかむら)』をアレンジしたという『菊一座令和仇討(きくいちざれいわのあだうち)』。
南北の得意とする、縄を綯うごとくストーリーを「綯交ぜ」て描く手法を活かした作品とのことで、「曽我物」の時代設定に、『鈴ヶ森』の幡随院長兵衛と白井権八などのお馴染みの登場人物が活躍する舞台。
大鼠に大入道、カッパに骸骨と、白無垢綿帽子に鼠の面をつけた花嫁が登場し、権三と権八がそれぞれの妹・八重梅、おさいと婚礼するという、序幕の飛石山古寺客殿の場など、南北らしい奇想天外な設定がたのしい!!
二幕目で菊五郎さんの幡随院長兵衛の侠客ぶりにしびれていると、三幕目での菊五郎さんの二役目・寺西閑心の全く別人の老人ぶりに驚き、上手いなあと感心していると、打って変わった出で立ちと語りの実ハ蒲冠者範頼にまたしびれ!!
両花道を使った、松緑さんの笹野権三と菊之助さんの白井権八の大活躍に、時蔵さんの三日月おせんの悪婆ぶりともどりもさすがです。
他にも歌舞伎の面白さ満載の舞台で、今年の初芝居を大満喫しました。
今回の幕間のお弁当は、劇場の売店で売られているカツサンド。
ひとつだけポテトサラダサンドが入っているのと、ピクルスが添えてあるのがうれしい。
終演後にはお約束の「甘味おかめ」でこの時期の苺あんみつでひと休みを。
いちごでビタミンC、あんみつで糖分補給で元気を充電。
その後はこちらも最終日だった、国立劇場に隣接の伝統芸能情報館での「歌川豊国ー歌川派の役者絵ー」展へ。
初代歌川豊国の「市川團蔵はやかはり」。
四代目市川團蔵の与市兵衛から斧定九郎への早変わりの場面を描いた一点。
早変わりの舞台裏を見られたようで面白い作品でした。
復活通し狂言に役者絵と、今年も歌舞伎を満喫出来る一年になりますように。