国立能楽堂の4月の定例公演「狂言・鈍太郎 能・藤戸」へ、先週の5日、行ってきました。
ほんとうに久しぶりになってしまった能楽鑑賞。
数年前から月に一度通っている「平家物語」を読む講座で、先月「藤戸」の段を学び、今月の講座では、謡曲「藤戸」についての授業になると聞き、これは生の舞台を鑑賞してから、今月の講座を受講したい!!と思い検索。
ちょうど国立能楽堂の4月の定例公演が「藤戸」と知り、席を取りました。
公演間近だったので、ほんの数席だけ残っていたGB席でしたが、たのしみに久しぶりの能楽堂へ。
まずは狂言・鈍太郎。
「手車」や、古型を参考にし、現代人の視点から結末を見直した新演出によるという上演を愉しみました。
能の藤戸。
「平家物語」の講座で「藤戸」の段を読んだ際に、敵陣に通ずる浅瀬のありかを教えたのにもかかわらず、盛綱の功名心から口封じに殺されてしまった漁師の青年の部分に、強く憤りを感じた、その部分が題材にされている謡曲の「藤戸」。
「平家物語」には登場しない能の創作人物である前シテの母と、後シテの漁師の霊。
母親の悲嘆な訴えと、漁師の青年の霊の怨念に、湧きあがるような地謡の抑揚が心に響きます。
今回ははじめて観能する金春流でのお舞台でしたが、他の流派では、後シテの面は違うものを用いるとのことで、他の流派のお舞台も観てみたいと思いました。
「平家物語」を読む講座と共に、また「平家物語」を題材にした演目やその他のお能鑑賞の機会を増やせたらいいな。