着付け教室卒業祝〜治部煮のお話し〜

先付 ところてん(蒸し鶏・ずわい蟹・おくら)

吸い物 青海苔とはんぺんの博多(巻海老・あわび茸・木の芽)

煮物 治部煮

焼物 鮎の塩焼き

酢物 柳蛸と蓮芋の梅酢

 

一昨年から友人であるお師匠さんに教えて頂いていた着付け。

一通りの課程を終えて、とりあえず着付け教室卒業ということにして頂きました。

そのお祝いと称して、お師匠さんとふたりで、みなとみらいの横浜ベイホテル東急に入っている日本料理「大志満」へお食事に行って来ました。

お師匠さんである友人は、北陸のご出身で、現在は私と同じ横浜在住。

そこで、私の以前からのお気に入りで、加賀料理が気軽に戴ける「大志満」さんへお誘いしました。

自分でちいさな天突きで押し出して戴く様にしつらえているところてんの先付けや、能登珠洲の天然塩で焼き上げた旬の鮎の塩焼きに、「大志満」さんの名物料理の治部煮などを戴きました。

鴨肉や鶏肉をそぎ切りにして小麦粉をまぶしたものと、ひき肉状にして、つくねに固めたものに、加賀特産のすだれ麩、しいたけ、青菜などを だし汁、醤油、砂糖、みりん、酒で煮、肉にまぶした粉でとろみがついた汁に薬味のわさびを溶いて戴く治部煮が大好物の私。

その歴史について調べてみました。

加賀藩前田家の料理人が書いた『料理の栞』に「本来の『じぶ』は鴨肉を鍋に張った汁を付けながら鍋肌で焼き、汁を張った椀に5切れほど盛ってわさびを添えて出す料理で、鴨の鍋焼きのことだったが、これと別に、雁・鴨・白鳥などの肉をそぎ切りにし、麦の粉を付けて濃い醤油味の汁で煮、わさびを添える、という『麦鳥』と呼ばれる料理があり、これが間違って『じゅぶ』と呼ばれたため、後者の方が『じぶ』として伝わることとなった」とあるそうです。

ささやかな小懐石でしたが、それぞれのお料理と、そのちょっとした季節の飾りや細工などについてのお喋りをたのしみながらの、とてもたのしいごはん会でした。

感性豊かなお師匠さんとの、たのしいひとときに感謝。
また、お師匠さんである友人との今宵のようなたのしい機会を共に出来たらうれしいな。