「三人の会」

ssanninnokai

国立能楽堂での「三人の会」第一回公演へ行ってきました。

度々参加させて頂いているイベント「能楽妄想ナイト」でお馴染み(勝手に?!)の、観世流シテ方能楽師で、
銕仙会の谷本健吾さんと、梅若会の川口晃平さんが、同時期に各師の許で内弟子修行をされていた縁で、独立後も一緒に舞台を勤める事が多く、その折に色々と舞台についてのお話を深くするようになったという、観世宗家の坂口貴信さんと、揃って四十歳を迎えるという年に、研鑽の場を共有したい、との思いから、立ち上げられたという「三人の会」。
その記念すべき第一回目の公演です。

谷本さんのご次男・谷本康介さんの初々しくも凛々しい仕舞から始まり、
まずは川口さんの「養老」。
川口さんがシテ方を勤められる舞台を拝見するのはこれが三度目ですが、一番心に響く素敵な舞台でした。

続いて野村万作さんの狂言「船渡聟」のさすがの舞台を笑ってたのしんだ後は、初めて拝見する、坂口貴信さんの「熊野」。
とてもとても美しい熊野でした。

そして、お三方各々の師である、観世流分家・観世銕之丞師、観世宗家・観世清和師、梅若家・梅若玄祥師という、超豪華な顔ぶれの研ぎ澄まされた仕舞にため息。

最後は谷本さんの「望月」。
惹きつけられ、面白く、目が離せない場面転換に、最後に谷本さんのご長男・谷本悠太郎さんの子方の花若が本懐を遂げると、胸に迫り、目頭が熱くなる感情が。とても素晴らしい、感動の舞台でした。

6時間越えという長時間の番組でしたが、どの舞台も能楽鑑賞初心者の私でも、集中力を途切れさせることのない素晴らしいものでした。
それ故、舞台から発せられる力に圧倒され、終演後にはさすがに疲れを感じましたが、それもとても心地よいものでした。
お三方其々の、並々ならない情熱を感じられた貴重な一日で、
こらからのお三方のご活躍の舞台が、益々たのしみになりました。