「八王子薪能」

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八王子の子安神社で開催された「八王子薪能」へ行って来ました。

昨年の秋以来、なかなか予定が合わないことが続いてしまい、ご無沙汰してしまっていた能楽観賞。

今回の薪能に声を掛けてくれたのは、一昨年の「八王子薪能」にもご一緒して貰った、お能のイベントで仲良くさせて貰うようになった友人。

その友人達とも少しご無沙汰してしまっていましたが、上演前のお茶のひとときで、ひさしぶりとは思えない、打ち解けたたのしいお喋りをたのしませて貰いました。

お茶とお喋りをたのしんだ後は、開場時間少し前に会場である神社へ行き、全席自由席の席を確保した途端に、雨が本降りに。

あまりの雨足に、テントが張られていた席から動くことも出来ず、そのままテント下で開演までの時間を過ごしていましたが、どんどん酷くなるばかりの雨に、すぐそこに落ちたのでは?!という様な雷まで加わり、普段なら外にいて不安になってしまう様な天候だったはずですが、これから薪能が行われる神社の境内の能舞台の前だったからか、気の置けない友人と一緒だったからか、雨をしのいでくれるテントの中を吹き抜ける風が涼しく、暑さがしのげて気持ちいいな、くらいの心持ちで、友人とお喋りしながら開演までの時間を待ちました。

とは言え、どんどん酷くなる雨足と雷に、能は半能になるとのこと。

「翁」を謡のみで演じる素謡「神歌」と、狂言「末広」は予定通り上演され、不思議なことにその上演中は激しい雷は鳴り止み、雨は小降りに。

そして半能になった「高砂」の後シテ・住吉明神が舞い始めると、一瞬その小降りの雨もぴたりと降り止み、祈りが神に通じた様な神秘的な瞬間を美しい舞いに見ることが出来ました。

その舞台が終わった途端に、雨足が以前にも増した激しいザーザー降りになり、神掛かった様な時と空間を体感。

忘れられない観能体験になりました。

心に残るひとときを一緒に過ごしてくれた友人に、感謝感謝の八王子薪能でした。