今年も初芝居は国立劇場での菊五郎一座による通し狂言を。
説経節として語り継がれ、歌舞伎や人形浄瑠璃の格好の題材となってきたという「小栗物」と呼ばれる「小栗判官」伝説。
その歌舞伎の決定版と言われる『姫競双葉絵草紙』を新たに補綴しての上演という通し狂言『世界花小栗判官』。
今年も歌舞伎の面白さが溢れた、華やかで、たのしい見せ場満載の舞台が繰り広げられました。
馬術の名手・小栗判官が、荒馬を乗りこなす、曲馬乗りの場面での菊之助さんは、錦絵からそのまま飛び出して来た様な、美しい型と姿が、鮮やかで凛々しく、うっとりと。
照手姫の危機を救うべく、元・小栗の家臣・浪七が、命懸けで忠義を尽くす一幕は壮絶で、松緑さんの熱演と、捕手の役者さんたちの立廻りが素晴しく、見応え満点。
そして、菊五郎さんの盗賊・風間八郎が、全編にわたって、どっしりと圧倒的な存在感で締めてくれ、どの場面でも、ほんとうに粋で渋く格好良くて素敵!!
時事ネタでは、橘太郎さんがシャンシャンの隈取り(パンダ取り?)まで披露してくれ、亀蔵さんとの掛け合いも絶妙で、愉しませて貰えました。
大詰めの大団円では、恒例の手拭いまき。
「今年は取れなかったー!!けど、充実したお芝居を大満喫出来て、大満足~♪」とご機嫌な気分で、自分の座席の足元を見ると、なんと手拭いが!!
思わぬうれしい拾い物で、幸福感、倍増しました。